注釈

1.^国字 漢字に倣って日本で作られた字。峠、榊、笹、辻など。特に魚偏の字が多い。
2.^龍生九子 龍の子でどれも龍になれなかった。その中の贔屓はひいきの語源。
3.^鴟吻(しふん) 蚩吻などとも書く。古代は猛禽の尾を持つとされたようだが、唐代には魚の尾になったことから火事避けの霊獣となった。
4.^マカラ ガンジス川の神ガンガーや水の神ヴァルナの乗り物。象やワニの頭の怪魚やワニとライオンの合成獣として表現される。
5.^スクルマーシュ メソポタミア神話のエンキは繁殖と水を司るを表す神であったから山羊と魚が象徴とされのちに合体してスクルマーシュ(大鯉+山羊)の姿となった。
6.^鴟尾(しび) 瓦葺宮殿や仏殿の大棟の両端に取り付けた装飾。沓形ともいう。
7.^戟(げき/ほこ) ひっかける戈[a]と突き刺す矛[b]を合体させたもの。ト形のほこ。
  a.^戈(か/ほこ) 棒に垂直に刃がつくほこ。斧や鎌の体で鈍い両刃。振り回して使う。
  b.^矛(ぼう/ほこ) 槍状のほこ。刀身は槍よりかなり大きく鈍い。主に振り回して使う。
8.^矛叉(ぼうさ) 刀先が叉(また)になったY形のほこ。
9.^和漢三才圖會(わかんさんさいずえ) 寺島良安著。105巻81冊。「三才圖會」にならって、和漢古今にわたる事物を天文・人倫・土地・山水・本草など天・人・地の3部に分け、図・漢名・和名などを挙げて漢文で解説。1712年刊。
10.^無鱗魚 うろこがない(とされた)魚。ここではイカ、タコ、エビや海獣も含む。
11.^世美 セミクジラ。
12.^座頭 ザトウクジラ。
13.^長須 ナガスクジラ。
14.^鰮鯨 イワシクジラ。
15.^眞甲 マッコウクジラ。
16.^小鯨 コククジラ。または上記5種及び別項のシャチ、イルカ、スナメリを除いた小型種の総称。
17.^劔鉾(けんぼこ) 矛に錺がついた祭具。神輿渡御の前に巡幸路を祓う。
18.^有鱗魚 うろこをもつ魚。
19.^本草綱目(ほんぞうこうもく) 明代の代表的な本草書
[c]。李時珍著。52巻。本草1890余種を解説。1596年刊。
  c.^本草書 薬草をはじめ薬用になる動植鉱物の説明書。薬用博物図鑑。日本の本草も収録した貝原益軒の大和本草は1709年刊。
    ※大和本草では「鴟尾」をシャチホコとしで霊獣と海獣を解説、「魚虎ヲシヤチホコト訓ズルハ非ナリ」としている。
20.^土奴魚 本草綱目で魚虎は無鱗魚に分類、ハリセンボンとされる。棘は鱗が変化したものなので鱗はない。
21.^鯱瓦 屋根の大棟の両端に取り付けた魚型装飾。織田信長が安土城天主閣に金鯱を付けたことで普及。
22.^漢籍 中国の書物。漢文で書いた書物。
23.^三才圖會 三才とは天・地・人。転じて宇宙間の万物を指す。天文・地理・人物・動物・植物・器物、その他種々の物を図解して説明した書。106巻。明の王圻の撰。1609年刊。王圻の子思義が続撰。
   ※三才圖會には「鯨」や「龍」の項はあるが、魚虎、鴟尾、鴟吻などシャチに関する項はなく他の項での言及もない。




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